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2019年9月21日
ウェア

【レオタードの生地】3種の化繊で織りなす“2way素材” ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの特徴

レオタードがバレエや体操の衣装に適している理由は、からだのラインにフィットし、激しい動きにも対応できる機能性と伸縮性です。
レオタードの製造に欠かせない、縦横自在に伸縮するストレッチ素材は、「2way素材」と呼ばれ、化学繊維(化繊)のナイロン、ポリエステル、ポリウレタンを使って作られます。
化繊それぞれの特徴を生かした素材づくりこそ、レオタードづくりの第一歩。また、レオタード選びは生地選びからと言えるほど、ユーザーのこだわりや好みが分かれるところです。
今回は、様々な風合いの素材をつくることができるナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの特徴と特性についてご紹介します!

特殊技術で製造・加工した、こだわりのストレッチ素材

1953年の創業からレオタードを作り続けている名和株式会社では、主力となる9種類のストレッチ素材を常時備え、衣装製作やインナー製作に使用しています。
この他にもお客さまの要望に合わせて、さまざまなストレッチ素材を製作することが可能です。
ナイロン、ポリエステル、ポリウレタンの混率の違いによって、素材の手触りや光沢感を自由自在に操ることができます。特殊な技術で製造・加工した“こだわりの素材”はこちら。

2wayトリコット

ナイロン85%+ポリウレタン15%
レオタード用素材として東レと共同開発したオリジナル生地。伸縮性に富み、ステージを華やかに演出する光沢を持ちます。

ソフトスムース

ナイロン90%+ポリウレタン10%
東レと共同開発した、マットな質感が特徴の生地。ソフトな手触りでありながら伸縮性にも優れ、レオタードやスパッツの生地としては一番人気が高い素材です。

ダル2way

ナイロン80%+ポリウレタン20%
発色が美しく、カラーラインナップも豊富です。しっとりした肌触りとドレープ感が特徴です。

ワッシャーベロア

ナイロン90%+ポリウレタン10%
身体の動きに合わせて、生地表面の美しい光沢感がさまざまな表情をみせます。

AP2wayトリコット

ナイロン85%+ポリウレタン15%
厚手で丈夫な素材で、身体をしっかりサポートする2way素材です。

スムース

ナイロン100%
特殊加工したナイロン糸をしたソフトな肌触りで、身体にやさしくフィットします。

フラットフォイル

ポリエステル85%+ポリウレタン15%
滑らかな輝きは、大舞台での華やかさを演出してくれます。

ドット箔

ポリエステル85%+ポリウレタン15%
規則正しく並ぶドット柄の箔が、演技の動きに合わせて輝きを放ちます。

ラメ

ナイロン80%+ポリウレタン20%
煌めく光沢感が、着る人すべてのシルエットに華やかさを与えます。

ナイロン繊維の特徴

世界で初めて製造された合成繊維

ナイロンは、世界で初めて製造された、石油を原料とする化学繊維(合成繊維)です。
「ナイロン袋」でおなじみの繊維ですが、実はこの名前、アメリカのデュポン社が1935年に開発した際、商標登録した名前なんです。
ナイロンの正式名称は「ポリアミド」で、「ポリエステル」「ポリエチレン」と同じ“ポリ仲間”。この3つの化学繊維に共通する“ポリ”とは、重合によって生じた高分子化合物「ポリマー」の略語です。

軽くてしなやか、摩耗や摩擦にも強い優れもの

ナイロン繊維はとても軽く、しなやかな弾力性を持ちながらも、摩耗や摩擦に強い優れものです。耐油性や耐薬品性もあり、繰り返しの変形や折り曲げにも強いことから、衣料だけでなく、日用品や工業製品にも広く使われています。
一方、ナイロン素材のデメリットは、日光を浴びた時の変色や劣化が目立つこと。そして、熱に弱いことです。また、静電気が発生しやすい繊維でもあります。

ポリエステル繊維の特徴

安価に製造できるから、生産量・使用量はNO.1

ポリエステルは、イギリスのキャリコプリンターズ社が開発に成功した合成繊維で、ナイロンを製造したデュポン社が特許を得て工業生産化しました。
材料が手に入れやすく、安価に製造できることから、化学繊維の生産量・使用量はポリエステルがNO.1です。
洋服・和服を問わず、多くの衣料品に使用されているポリエステル繊維は、速乾性が求められるスポーツウェアやアウトドア用品の定番素材でもあります。
繊維そのものに吸湿・吸水・吸汗の機能はありませんが、繊維が水分をまったく吸収しないからこそ、撥水効果や乾くスピードの速さが実現します。

日光や熱にも強い万能性が“取り扱いやすさ”の理由

ポリエステル繊維はナイロンと同様に、強度と耐薬品性が高く、摩擦に強く、シワになりにくい丈夫な素材です。
また、日光の影響よる劣化の心配がほとんどなく、他の化学繊維と比べて熱にも強い特性があります。ポリエステル製の衣料品が取り扱いやすい理由には、このような万能性があります。

ポリウレタン繊維の特徴

ゴムのように伸びる繊維は、伸縮性の要

ポリウレタンの特徴を一言でいえば、「ゴムのように伸びる化学繊維」です。しかも、ゴムより劣化しにくく、引張強度も高いとされ、伸縮性や柔らかさが求められる衣料品の素材として重宝されています。
別名「スパンデックス」と呼ばれるポリウレタンは、単独で使われることはありません。ナイロンやポリエステルなど他の繊維と組み合わせて紡糸され、生地の“伸び”に一役を買います。

「塩素に弱い」がデメリット

ゴムのように伸びる特性を持ったポリウレタンですが、経年劣化は避けられません。
水分、日光、紫外線、熱、汗などの影響を受けて徐々に劣化していきますが、特に「塩素に弱い」ことを覚えておきましょう。洗濯の際に塩素系の漂白剤などを使うと、一気に劣化が進むので要注意です。
最近は研究も進み、伸縮性に優れたポリウレタンの長寿命化が図られると共に、ポリエステル100%でありながらも、ストレッチ性の高い繊維が開発されています。名和株式会社では、「テクニスタ48」などの新素材を取り揃え、さまざまなご要望に対応しています。

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